「奇跡」を起こす人に共通している点とは

いろいろな方から、「奇跡を起こして治す方法はありませんか」と聞かれることがあります。

確かに医療の現場では、時々びっくりするような奇跡が起こります。「あと一ヵ月の命と宣告されたのに、すっかり治って元気になった」「モルヒネでもとりきれなかった痛みが、ある日突然嘘のように消えた」などなど……。

できることなら、誰もが奇跡を起こしたいですし、奇跡を起こせるような方法があれば試してみたいと思いますよね。

これをやったら、絶対奇跡が起こる」という確実な方法があるわけではありませんが、私がみる限り、奇跡を起こした人にはある種の共通したパターンがあるようです。

それは、「病気になったことを恨んだり、不平を言ったりするのではなく、前向きにとらえている」ということです。

コップの中の水が半分なくなってしまったとき、「あと半分しか残っていない」と思うか、「まだ半分ある」と思うか、「減ってみると、水がたっぷりあるって安心できることだったんだな。この水を大切に飲もう」と思うかでは、ずいぶん違いがあります。

同じように、病気になったときも、「あと、半年しか命がないなら何をやったって仕方ない」と考えるか、「あと半年残っているなら、何ができるか」と考えるか、「命が短いと聞いて、命の尊さがわかった。自分が本当にやりたいことは何なのかがわかった」と考えるかでは、生き方が変わってくるのです。

そして、「あと半年の命ならば、いやいややっていた仕事はスッパリ辞めて、本当にやりたかった絵を描きたい」とか、「足が動かなくなって生きているなんていやだと思っていたけれど、自分にはまだ手が残っていた。この手を使ってまだまだできることがある」などと考えて、残された時間を精いっぱい生き始めた人の中に、いつのまにか病気が進まなくなる人、治る人がよくいらっしゃいます。

「たくさんのことを学んだ」「何がいちばん大切なことかわかった」「自分との新しいつき合い方を発見した」など、病気をきっかけに自分自身を見直して「新しい生き方。新しい人生」を見つけられる人ほど、奇跡が起こることが多いといえるでしょうか。もし、奇跡を起こしたいと思うのであれば、病気を逆手にとって、前向きにとらえるような生き方を模索してみましょう。