がんの発症と種類

日本人の2人に1人は何らかのがんにかかると言われています。私たちにとって身近な病気、がんとはそもそも何なのでしょうか。

がんはどうやってできていくのか
人間の体は、約60兆個の細胞からできています。私たちが怪我をしたら細胞が増殖して傷口を塞ぎます。そして傷が治ったら細胞の増殖は停止します。

このように正常な細胞は、私たちの体の状態に応じて活動しています。

これに対し、がん細胞は正常な細胞から発生した異常な細胞で、「がん」はこの異常な細胞の塊です。

周囲の状態に関係なく、増殖し続けます。どんどん増え続け、周囲の正常な組織を壊して機能障害を引き起こしてしまうのです。

人間の体の中には以下の二つがあります。

がん細胞の増殖を促進する遺伝子
がん細胞の増殖を防ぐ抑制遺伝子
そのため正常な細胞の一部ががん化しても、免疫の働きが十分発揮されれば、がん細胞は死滅するので「がん」にまで発展することはありません。

相反するふたつの働きが、私たちの体には備わっていて、そのバランスが崩れるとがんの増殖が進むのですが、このような生体防御システムを打ち破り、「がん」として発症するまでには、10年、20年という長い年月がかかります。

がんは一度発症すると、周囲の正常な組織にどんどん侵入して増殖していきます。

そして血液やリンパ液に乗って体中に転移し、正常な細胞を駆逐していきます。必要な栄養素がすべてがん細胞に奪われてしまうため、がんの進行とともに身体は衰弱していきます。

がんの発症には沢山の原因が挙げられます。

有名な加齢をはじめ、喫煙や過剰な飲酒、疲労から来るストレス、偏った食事が原因の栄養不足、長時間労働による睡眠不足、また国や時代によっては環境汚染やウイルス感染なども挙げられます。

長年にわたってこれらが蓄積されることが影響しているのです。

がんの多くは複合的な原因によって発症するため、ひとつに特定することはできませんが、日々の生活習慣を改善していくことが重要です。

それが治療効果を高め、がんの転移、再発を防ぐことにつながるのです。

がんにはどんな種類があるのか
がんは基本的に、全ての臓器や組織に発生します。そして造血器官にできるもの、上皮細胞にできるもの、非上皮細胞にできるものに大きく分けられます。

造血器官でできるがん

悪性リンパ腫白血病、骨髄腫・・・・・・
上皮細胞にできるがん(癌腫)
子宮がん、胃がん、肺がん、乳がん、大腸がん、卵巣がん・・・・・・
非上皮細胞にできるがん(肉腫)
横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫・・・・・・
造血器がんを除くほとんどのがんでは塊を形成し増大するため、一括して固形腫瘍と呼ばれることもあります。