性格に合わせたストレスの減らし方

ストレスを減らすための方法には、どんなものがあるでしょうか。それには、患者さん本人の性格に合わせたアプローチ法をとることをおすすめします。

たとえば、「他人に頼るのがいやなタイプ。世話好きなタイプ」の方は、仕事や家事を他人に手伝ってもらったり、頼まれた用事を断るのが苦手です。

こういう方に対しては、仕事を頼みすぎても、一肩代わりしすぎてもストレスになります。こういう方をサポートするときは、「何か仕事をまかせるときには、なるべく負担がかからない量にする。しかし、全部の仕事を肩代わりしてしまうのではなく、適量の仕事をまかせる」ということに気をつけるとよいでしょう。

このような方ご自身にとっての課題は、「ちょっびり頼み上手、ちょっぴり断り上手」になるよう、努力してみることです。

逆に、「誰かに頼りがちなタイプ。自分から動くのが苦手なタイプ」の方の場合。患者さんは周りの人が考えている以上に、少ない仕事量でもストレスに感じます。

ですから、本人や周りの人は、「こんなこともできないなんて。もっと、周りと歩調を合わせるように」と強要はせず、「人によって、できる仕事量には違いがあるから」と本人なりのペースを尊重してあげてください。

ご本人の課題としては、「人並みにできなくてもいいんだよ。人にはもともとの力の差があるんだから、できない自分でもいいんだよ」と自分に言えるといいですね。また、「誰も手伝ってくれない。私にはできない」と思う前に、ほんの少しだけ自主的に行動するようにしてはどうでしょうか。

「完璧主義」の方の場合、自分が思っているようにすべてがきっちり運ばないと、とても苦痛を感じます。

周りにいる人は、「何もそこまできっちりしなくても」と思っても、ある程度本人の気のすむような形に物事が進むよう協力してみましょう。

ご本人の課題としては、「世の中は、他の人とのバランスも大切。完全を求めすぎないよう」と、物事を柔軟に考える訓練をすることです。

いずれの性格についても、「全面的な改革をしよう」と無理をしないことが大切です。

全面的な改革は、かえって過大なストレスを招きます。持って生まれた性格は、度が過ぎれば摩擦を生みますが、うまく使えば利点となるものです。自分を全面的に変えるのではなく、 一割か二割を変えるだけでも十分に病気の予防になります。