がんになったときに振り返ってほしいこと

がんという病気を、心の面から探って、治療に役立てようとする学問があるのをご存じでしょうか。前にもお話しした、精神腫瘍免疫学(サイコオンコロジー)という学問です。

この精神腫瘍免疫学では、「がんは細胞学的自殺」といわれています。つまり、がんは、「生きているのがつらい。死んでしまいたい。でも、自殺する勇気はない」という気持ちが高じてくると、出てくるというのです

確かに言われてみると、がんをわずらっている患者さんの中には、「死んでしまったら、そのほうが楽だなあ」という気持ちが見え隠れしている人が少なくありません。

仮に、精神腫瘍免疫学の立場から治療を考えるなら、治りたいときには「こんな病気にかかってしまって、周りの人にもたくさん迷惑をかけた。私みたいな人間は生きていても仕方がないんだ」という考え方は、即刻やめましょう。病気の勢力を強くしてしまうことになりかねません。

さらに、自分自身の心の中も振り返ってみましょう。「そうだわ。確かに、死んでしまったほうが楽だ、と思っていたわ」と気がついた人は、今からでも遅くはありません。

なんとかして「死ななくても、楽に過ごせる方法」を考えてみましょう。そうすることで、がんは勢いを失い、おとなしくなってくれます。

厄介なのは、本当は死にたいくらいつらいのに、「私は死にたいなんて思うような弱虫じゃない」と心の奥底にある苦しい気持ちを抑え込んでしまい、自分自身でも気がついていないときです。

こういう場合、本人は自分の本当の気持ちに気づきたくないのかもしれません。

でも周りで見守る方としては、本当の気持ちになんとか気づいて治る方向に考え方を切り換えてもらいたいもの。

しかし、心の中の問題は、周囲の人がどんなに手助けをしても、最終的には、患者さん本人の力で乗り越えなければならない問題です。

よく私たちは、カウンセリングや薬などで、人の心が変えられるような錯覚に陥りますが、本来人の心というものは、他人が変えられるものではありません。周りにいる人の力や薬の力は、病人の心の支えにはなっても、最終的には、本人の「変わりたい」という意志があってこそ、新しく変わっていく力が生まれるものです。

そばにいる方としては、「もっとこんな考え方をすれば、うまくいくのに」と歯がゆいこともあるかもしれませんが、じっと見守ってください。

また、ご家族や医療スタッフが「これがベストだ」と考える道が、本人にとって必ずべストかどうかは、本人以外誰もわかりません。それに誰もその人の人生を一肩代わりして生きることはできません。

もし、患者さん本人が周囲のすすめるような道を選ばなかったとしても、それがその人の生きる道です。つらいけれども、周りの人はそれを見守っていくしかないのでしょう。

性格に合わせたストレスの減らし方

ストレスを減らすための方法には、どんなものがあるでしょうか。それには、患者さん本人の性格に合わせたアプローチ法をとることをおすすめします。

たとえば、「他人に頼るのがいやなタイプ。世話好きなタイプ」の方は、仕事や家事を他人に手伝ってもらったり、頼まれた用事を断るのが苦手です。

こういう方に対しては、仕事を頼みすぎても、一肩代わりしすぎてもストレスになります。こういう方をサポートするときは、「何か仕事をまかせるときには、なるべく負担がかからない量にする。しかし、全部の仕事を肩代わりしてしまうのではなく、適量の仕事をまかせる」ということに気をつけるとよいでしょう。

このような方ご自身にとっての課題は、「ちょっびり頼み上手、ちょっぴり断り上手」になるよう、努力してみることです。

逆に、「誰かに頼りがちなタイプ。自分から動くのが苦手なタイプ」の方の場合。患者さんは周りの人が考えている以上に、少ない仕事量でもストレスに感じます。

ですから、本人や周りの人は、「こんなこともできないなんて。もっと、周りと歩調を合わせるように」と強要はせず、「人によって、できる仕事量には違いがあるから」と本人なりのペースを尊重してあげてください。

ご本人の課題としては、「人並みにできなくてもいいんだよ。人にはもともとの力の差があるんだから、できない自分でもいいんだよ」と自分に言えるといいですね。また、「誰も手伝ってくれない。私にはできない」と思う前に、ほんの少しだけ自主的に行動するようにしてはどうでしょうか。

「完璧主義」の方の場合、自分が思っているようにすべてがきっちり運ばないと、とても苦痛を感じます。

周りにいる人は、「何もそこまできっちりしなくても」と思っても、ある程度本人の気のすむような形に物事が進むよう協力してみましょう。

ご本人の課題としては、「世の中は、他の人とのバランスも大切。完全を求めすぎないよう」と、物事を柔軟に考える訓練をすることです。

いずれの性格についても、「全面的な改革をしよう」と無理をしないことが大切です。

全面的な改革は、かえって過大なストレスを招きます。持って生まれた性格は、度が過ぎれば摩擦を生みますが、うまく使えば利点となるものです。自分を全面的に変えるのではなく、 一割か二割を変えるだけでも十分に病気の予防になります。

病気の原因は生活の中にあるもの

大病をされた方に思い当たるふしを聞いてみると、原因がそれまでの生活の中に隠れていることがとても多いことにびっくりさせられます。

なかには、「私は暴飲暴食もしていないし、たばこもやらない、睡眠も十分とるようにしていたのに」と言われる方もいます。

確かに、食事や睡眠、嗜好品といった生活習慣が規則正しく行なわれているほうが、病気にはかかりにくいでしょう。

しかし、規則正しい生活をしている人の体には負担はかかっていないかというと、 一概にそうとも言い切れません。

案外忘れられがちで、実は重大なのが、生き方や考え方、周囲の人との人間関係などにまつわるストレスです。

たとえば、

「とても忙しい仕事をまかされて、自分としては無理だと思ったけれど、『こんなことくらいで断るのは情けない。皆やっていることなのだから』と我慢を続けていた」

「仲の良くない夫婦が、夫の定年退職で始終顔を合わせていなければならなくなった」

「姑の介護で、身も心もボロボロだったのに、誰も協力してくれなかった」

「仕事で失敗して、左遷された」

「職場でいじめを受けた」

といったことです。

それほど大きな理由はなくても、振り返ってみると、「まだ我慢できるはずだ」「」のくらいたいしたことはない」「他の人ができるんだから、私がこのくらいで弱音を吐いては」と、「まだ」とか「このくらい」と言い聞かせていることがあるかもしれません。

このように「まだ、このくらい」と言っているときは、すでに体にかなりの無理をさせているときなのです。

こんなときに、食事や酒やたばこなどの嗜好品で適度に気を紛らわせることは、ストレスの軽減に役立ちます。でも、度が過ぎるとひどく生活が乱れて、体を壊す羽目になってしまいます。

もっと困るのは、とてもきまじめな性格で、規則正しい生活がまったく崩せず、何かで気を紛らわすということが全然できない方の場合です。こういう方は、ときに生活の乱れた人以上にストレスをためてしまうことがあります。

そして、こういったストレスが長く続くと、自律神経の調子が乱れたり、体の抵抗力が落ちたりして、病気になりやすくなるのです。

大病をわずらった後は、本人とご家族が協力し合って、生活を見直し、ストレスがある場合はその軽減に努めることが、再発の防止につながります。

病気とつき合う心の持ちよう

まずは考え方を少しだけ変えてみる

病気になると、本人も家族も医者も、病気を治すことには一生懸命になりますが、病気になった体とその後どのようにつき合っていくかを考える人は、少ないような気がします。

よく医者は、「手術で、悪いところを全部取りましたから、もう大丈夫です。退院したら、今まで通りの普通の生活に戻ってください」と言います。

しかし、実際は手術前とまったく同じ体力や生活を取り戻すのはむずかしいものです。

病気や手術法にもよりますが、手術を受けると体に傷がつき、大切な臓器が切り取られるため、「傷がツレる」「一度に食べられる食事の量が減った」「疲れやすくなった」などの不都合が出やすいのです。

それほどの不都合は感じられなくても、ここぞというときの体力がなくなっていたりと、以前の自分の体との何らかの違いを感じることは少なくありません。

たとえば、ケガをして腕一本失ったとしたら、元の生活に戻るのがどんなに大変か、誰でもわかりますよね

実は、表面上の手術の傷跡はたったの一本しか残っていなくても、手術の後の体の中は、腕一本あるいは足一本なくなったのと同じくらいダメージを受けています。

そして、抗がん剤は全身大火傷、放射線は部分火傷を負ったのと同じくらい、細胞レベルではダメージを受けます。これが以前の自分の体と違って感じられる理由です。

ですから、手術、抗がん剤放射線などの治療を受けた体は、自分が思っている以上に弱っていると配慮して、大切に扱ってあげてください。

また、手術や抗がん剤などの強い治療を受けなくても、「大病がやっと治ったとき」は、同じように、以前の体ほど無理がきかなくなっていることが多いものです。こんなふうに余力のない体で、無理やり以前と同じような生活に一戻ろうとするのは、それだけでも体と心にとって負担になります。

大病をわずらったときは、以前の生活、以前の自分のイメージを捨てて、「ゼロから新しい生活を作り上げる」と考えたほうが、楽に生きていけることが多いもの。

なぜかというと、過去の生活が捨てられないと、どんなに回復しても「前はこんなことは簡単にできたのに……。

まだまだ、以前の自分には戻らない」と自分を責めてしまい、元気になった実感がわいてこないからです。いつまでたっても到達できない目標を見続けることほど、つらいことはありません。

病気をしたときは、いちばん具合の悪かった時点をゼロと考えてみましょう。

そして、そこから新しくひとつひとつ積み上げたものを見るようにするのです。すると、「あのときよりも、こんなによくなった。こんなにできることが増えた」という日でいつも自分を見ることができます。

この方法ならば、ほんの少しがんばるだけで、よくなったことがはっきりと感じられ、張り合いも出て、早く回復しやすいものです。

また、病気は、体が自分に対して発しているシグナルでもあります。私たちの頭は、「このくらいの仕事なら、まだまだ大丈夫」などと言い聞かせて体に無理をさせますが、体は正直です。

日々の生活の中で無理が積もり積もって体に故障が起こった結果が病気なのです。つまり、大病の原因は今までの生活の中にあるというわけです。

ですから、元の生活に戻ってしまうと、また同じ病気が再発したり、体に余力のない分、もっとひどい病気になってしまう可能性も捨て切れません。

そういう意味でも、大病をわずらった後に元の生活二戻ることはおすすめできません。それまでの生活、これからの生活をしっかり見直すことが大切です。

「完璧に治ること」「元の生活二戻ること」を目標にせず、ヨ病息災」をめざしましょう。

病気は仲良くつき合っていけば、体のよいバロメーターになります。自分では、無理をしていないつもりでも、病気がぶり返してきたり、調子がばっとしないときは、知らず知らず無理のかかっているときです。

「どうしてこんなに、ポンコツの体になってしまったんだ」と嘆かず、「病気をして新しい体、新しい自分になったんだ。この体にはもう少しゆったりしたやり方が合っているんだな。ゆっくり新しい生き方を探してみよう」と、自分に声をかけてみましょう。

そうすれば、病気はひどくならず、仲良くつき合っていけるはずです。これが、「一病息災」の考え方です。

癌と共に生きるは時代遅れ!

と、いうことで今回は癌についての話です。

癌と言えば日本人の死因率トップを長らくキープする我々にとって切っても切り離せない存在ですが、そんな癌もこれからの時代はもしかしたら過去のものとなるやもしれません。

それが3Dプリンターの存在です。

そう、癌に侵されて駄目になってしまった部位を3Dプリンターで作りなおした臓器と取り換えてしまえばいい、というわけですね。

もちろん、拒絶反応やその後の経緯のクリア、更に生命倫理観に基づいた判断など、超えるべき課題は山積みですが、それでもこの3Dプリンターによる癌根絶は多くの癌患者にとって福音となりえるのではないでしょうか。

今まで癌といえばしっかり寝て、笑って運動をして食事に気を付けるというのが治療のための定説でした。

かくいう私もこれに則って今は亡き母のためにあれこれ手を尽くしたものです。

具体的には癌のことを書いたサイトで情報を調べたり、著名な医者に診てもらったり・・・それにかかった時間・精神・金銭的苦労は結局、結実しませんでした。

なので、これからの若い世代の人には私が癌になったとき、そういう苦労をしてほしくありません。

3Dプリンターがその一助になれば果たしてどれだけ多くの人が救われることか・・・!

●癌を防ぐ食べ物とは!?

やはりどれだけ科学が発達しても病気を防ぐ第一は食べ物にあります。

現在の日本では癌の治療は主に放射線治療や化学療法が一般的ですが、皆さんもご存じのようにぶっちゃけそれらは体へのダメージが半端なく強く、人によってはその余りの辛さに治療を途中で断念するほど。

実は私の親戚のおじさん(もう何十年も前に亡くなりました)は、癌だったのですが、「もうわしゃやってられへんよ」と言って治療を途中で中断しました。それだけキツいということですね

しかし、癌治療はその巨大なマーケットの問題から今まで一切メスが入ってくることがなく、放射線治療の副作用も、投薬治療の反動も表沙汰にはされてきませんでした。

これに警鐘を鳴らしたのはDr.レオナード・コールドウェルという外国の医師。

彼はどんな癌も完治するという今までの経験と実績でもって、巨大マーケットである癌治療の現場にNoを突き付けています。

しかし、そんな彼の苦労も中々届くべきところへは届かず、未だに国内では間違った癌治療が横行しているのが現状です。

そこで私がおススメしたいのが食事を見直すことで癌と戦う食事療法です。

これは最もメジャーでありながら、さりとて効果的な癌治療として長年研究され続けてきました。

最近だと個人レベルではありますが、インターネットで情報を発信している人も数多くいます

癌は避けて通れないものかもしれません。しかし、直面したからといってすぐに諦めるほどどうしようもないものでもありません。

諦めたら試合終了というのは有名な格言ですが、まさに癌も諦めたらそこで終わりです。

毎日の生活の中で出来ることからコツコツ始めたいものですね。

「奇跡」を起こす人に共通している点とは

いろいろな方から、「奇跡を起こして治す方法はありませんか」と聞かれることがあります。

確かに医療の現場では、時々びっくりするような奇跡が起こります。「あと一ヵ月の命と宣告されたのに、すっかり治って元気になった」「モルヒネでもとりきれなかった痛みが、ある日突然嘘のように消えた」などなど……。

できることなら、誰もが奇跡を起こしたいですし、奇跡を起こせるような方法があれば試してみたいと思いますよね。

これをやったら、絶対奇跡が起こる」という確実な方法があるわけではありませんが、私がみる限り、奇跡を起こした人にはある種の共通したパターンがあるようです。

それは、「病気になったことを恨んだり、不平を言ったりするのではなく、前向きにとらえている」ということです。

コップの中の水が半分なくなってしまったとき、「あと半分しか残っていない」と思うか、「まだ半分ある」と思うか、「減ってみると、水がたっぷりあるって安心できることだったんだな。この水を大切に飲もう」と思うかでは、ずいぶん違いがあります。

同じように、病気になったときも、「あと、半年しか命がないなら何をやったって仕方ない」と考えるか、「あと半年残っているなら、何ができるか」と考えるか、「命が短いと聞いて、命の尊さがわかった。自分が本当にやりたいことは何なのかがわかった」と考えるかでは、生き方が変わってくるのです。

そして、「あと半年の命ならば、いやいややっていた仕事はスッパリ辞めて、本当にやりたかった絵を描きたい」とか、「足が動かなくなって生きているなんていやだと思っていたけれど、自分にはまだ手が残っていた。この手を使ってまだまだできることがある」などと考えて、残された時間を精いっぱい生き始めた人の中に、いつのまにか病気が進まなくなる人、治る人がよくいらっしゃいます。

「たくさんのことを学んだ」「何がいちばん大切なことかわかった」「自分との新しいつき合い方を発見した」など、病気をきっかけに自分自身を見直して「新しい生き方。新しい人生」を見つけられる人ほど、奇跡が起こることが多いといえるでしょうか。もし、奇跡を起こしたいと思うのであれば、病気を逆手にとって、前向きにとらえるような生き方を模索してみましょう。

抗がん剤について

現在、ガン治療の薬と一口に言っても、飲み薬や注射を含めるとおよそ100種類が存在し、使用する期間、メカニズムに関してもそれぞれの薬で異なります。

そのため、素人がガン治療薬について正確に理解するのは大変困難んです。ただ、ガンの薬は2つの種類に分けて考えると少しは理解しやすくなります。

具体的には『抗がん剤』と『免疫賦活剤』です。前者はガンの殺傷能力があります。後者は殺傷能力は無いものの、代わりにガンを殺傷することをサポートする力があります。

このページではより有名な「抗がん剤」について分かりやすく説明します。

抗がん剤による副作用

多くの人は抗がん剤と聞くと副作用ばかり強くて効果はイマイチ無い、というイメージを持たれるんじゃないでしょうか?

副作用に関しては確かにあります。抗がん剤はガン細胞を殺傷するだけでなく、ガンを発症していない周辺細胞までも殺傷してしまうのは事実です。

ですから抗がん剤がその他の治療薬と比較したとき、副作用が強く出てしまうことは否定しようがありません。

現在でもガン細胞にだけ働いて正常細胞には影響しない抗がん剤の開発は行われていますが、中々実現までには至っていません。

 

一般的な風邪薬などはそれを服用することで風邪がよくなり、副作用もめったに現れません。

抗がん剤の場合は、良い効果と悪い効果(副作用)が同等といったものや、悪いものでは悪い効果の方が顕著に現れるといったケースもあります。

つまり、一般的な風邪薬などとは異なり使用するのが大変難しく、患者側からしても使用を躊躇ってしまう薬でもあるのです。

抗がん剤の副作用としてよく言われているのは、吐いてしまったり、髪の毛が抜けてしまったりすることですが、その他にも、白血球や血小板が少なくなることや、肝臓や腎臓の機能に支障が出ることもあります。

ただ、副作用に関しては薬次第といったところもあり、人によっても強さなどは異なってきます。

そして、病院側としてもできる限り副作用を軽減することや、個々人で起きる副作用を想定して軽減していくことに力を入れているわけですが、現在のところ副作用を100%起きなくする方法というのは見つかっておりません。

ここからは、どうして一般の薬と抗がん剤とでここまで状況が違ってしまっているのかを見ていきたいと思います。

薬というのは通常であれば、服用する量を多くすることでそれに合わせて効果も現れやすくなるわけですが、服用する量が増えれば副作用も現れやすくなります。

ただ、抗がん剤ではない一般的な薬ではかなりの量を服用しない限りは副作用を発症するまでには至らず、指示された量の10倍程度服用した場合でも死に至ることはないのです。

一方、抗がん剤の場合は前述したとおり、良い効果と悪い効果の大きさの関係が同等なものとなっており、悪い効果の方が強く出る場合もあるといったことから、使用する量が少量の段階から副作用が現れるわけですが、そこで止めてしまうと良い効果も現れてきません。

そのため、良い効果を得たいのであれば、副作用に関しては我慢するしかないというケースが抗がん剤の場合は多くなっています。

ただ、最近では違うタイプの抗がん剤を一緒に投与することで、副作用を小さくするとともに、良い効果を上げる『多剤併用化学療法』という方法も用いるようになってきました。

異なる性格を持つ薬を併用することで抗がん剤を用いた際のあらゆる副作用が軽減できて、軽減した副作用であれば、薬物有害反応防止剤で乗り切れるという考え方から上記の方法を用いているようです。

それを考えると抗がん剤を使用した際の副作用も今後は少しずつ軽減することが期待できると言っていいのかもしれません。

抗がん剤の場合の効き目があるというのは?
抗がん剤の効き目が大きいということを聞けば、大抵の人はガンが治ることを期待してしまうかと思いますが、そうではないようです。

抗がん剤を用いて治療を行い、レントゲン写真などを見てもガンの大きさが小さくなっていることから、効き目があったように思えても、何カ月後かに再び元に戻っているケースも存在します。

しかし、そのようなケースでも見た感じは明らかに効き目があったように思えるので、効き目があったと判断するのです。

実際肺ガンの場合も、CTによる画像診断でガンが半分以下の大きさになっていれば、効き目があったと見なします。

一般的な風邪薬の場合は風邪が完全に治らない限りは効き目があったと判断しませんが、このように抗がん剤の場合は判断基準が異なるのです。

現在において『抗がん剤の効き目があった』という言葉は、『ガンは完治しなくとも生存が可能な期間が長くなった』、あるいは、『生存が可能な期間に変わりはないが、ガンのサイズが縮小したことで苦しみが小さくなった』場合に使用しています。

大抵の人はこれだけでは満足できず、ガンが100%治って元通りの日常生活を送ることを求めているでしょうが、抗がん剤の場合はガンを治す効果と比べ薬物有害反応の方が強く出てしまうことが多いことから、上記の場合でも『効き目があった』と判断することとなっているのです。
抗がん剤に関しては現在においても新たな薬が誕生しようとしています。

抗がん剤による治療が見つかって以降、およそ30年間で100タイプを超える薬の開発が行われて、ガンの治療に使用しています。

抗がん剤に関しては、植物や細菌を育てた際に発生する液などといったほか、人の手で合成することで見つけ出そうとする場合もあるようです。

新たな抗がん剤となり得るものが見つかると、人間のがん細胞を育てたものや、がん細胞を移植した動物で効果に関する研究が行われた後、薬物有害反応についての研究も行うこととなっています。

その後、ガンに対して実際にどの程度働くのかを知ることを目的として、医療現場でも研究が行われるようになっているようです。

医療現場での人間に対する研究においては、最初に薬物有害反応や血中濃度、効き目を調べることとなっていて、その際に人間にとって危険ではない薬の量というものが決まります。

つづいて、上記の量を使用した際の薬の効果や、好ましくない症状に関することを調べていく流れとなっているようです。

そして、これらのことを調べた結果、市場に出回っても問題ないと判断した薬だけが実際の治療で使用するようになっています。

抗がん剤に関しては、新たな薬が見つかってから販売が行われるまでには10年を超える年月を要するというぐらいさまざまな研究が行われているようです。

ですが、そんなに年月を要していたのでは、抗がん剤のメリットが得られない人も増えてくるため、効き目があると判断できる抗がん剤の場合は、極力早期に使用できるようにすることに力を入れるようにしています。

がんの発症と種類

日本人の2人に1人は何らかのがんにかかると言われています。私たちにとって身近な病気、がんとはそもそも何なのでしょうか。

がんはどうやってできていくのか
人間の体は、約60兆個の細胞からできています。私たちが怪我をしたら細胞が増殖して傷口を塞ぎます。そして傷が治ったら細胞の増殖は停止します。

このように正常な細胞は、私たちの体の状態に応じて活動しています。

これに対し、がん細胞は正常な細胞から発生した異常な細胞で、「がん」はこの異常な細胞の塊です。

周囲の状態に関係なく、増殖し続けます。どんどん増え続け、周囲の正常な組織を壊して機能障害を引き起こしてしまうのです。

人間の体の中には以下の二つがあります。

がん細胞の増殖を促進する遺伝子
がん細胞の増殖を防ぐ抑制遺伝子
そのため正常な細胞の一部ががん化しても、免疫の働きが十分発揮されれば、がん細胞は死滅するので「がん」にまで発展することはありません。

相反するふたつの働きが、私たちの体には備わっていて、そのバランスが崩れるとがんの増殖が進むのですが、このような生体防御システムを打ち破り、「がん」として発症するまでには、10年、20年という長い年月がかかります。

がんは一度発症すると、周囲の正常な組織にどんどん侵入して増殖していきます。

そして血液やリンパ液に乗って体中に転移し、正常な細胞を駆逐していきます。必要な栄養素がすべてがん細胞に奪われてしまうため、がんの進行とともに身体は衰弱していきます。

がんの発症には沢山の原因が挙げられます。

有名な加齢をはじめ、喫煙や過剰な飲酒、疲労から来るストレス、偏った食事が原因の栄養不足、長時間労働による睡眠不足、また国や時代によっては環境汚染やウイルス感染なども挙げられます。

長年にわたってこれらが蓄積されることが影響しているのです。

がんの多くは複合的な原因によって発症するため、ひとつに特定することはできませんが、日々の生活習慣を改善していくことが重要です。

それが治療効果を高め、がんの転移、再発を防ぐことにつながるのです。

がんにはどんな種類があるのか
がんは基本的に、全ての臓器や組織に発生します。そして造血器官にできるもの、上皮細胞にできるもの、非上皮細胞にできるものに大きく分けられます。

造血器官でできるがん

悪性リンパ腫白血病、骨髄腫・・・・・・
上皮細胞にできるがん(癌腫)
子宮がん、胃がん、肺がん、乳がん、大腸がん、卵巣がん・・・・・・
非上皮細胞にできるがん(肉腫)
横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫・・・・・・
造血器がんを除くほとんどのがんでは塊を形成し増大するため、一括して固形腫瘍と呼ばれることもあります。

 

がんは遺伝する?若いと進行が速い?

がんは日本人の死因1位となるほど身近な病気ですが、がんになりやすい家系があるとか、若い人の方が進行が速いとか、こんな話を聞いたことがある方はいるんじゃないでしょうか。これは本当なのでしょうか。

がんにないやすい家系はあるの?
家族や親戚にがんで亡くなった人がいるから、自分もなるのではないかと不安になる方もいらっしゃるでしょう。

確かに病気の中には、血友病のように遺伝するものもあります。しかし、がんは遺伝する病気ではありません。

がんは細胞内の遺伝子が傷つけられてできますが、人間はそれを修復する遺伝子を持っています。この遺伝子が正常に働くことで、がんになることはありません。

しかし、(少数ではありますが)この遺伝子に異常がみられる人がいます。

そのような人は残念ながらがんになる確率がそうでない人よりも高く、更にこの特性は遺伝することがあるため、がんになりやすい家系、ということがいえるようです。

がんになりやすい家系だからと言って、必ずしもがんになるということではありません。

全てのがんの中でこの遺伝的特性によるものは、およそ5%程度とされています。

がんは珍しい病気ではありませんから、遺伝的特性のあるなしに関わらず発症しますので、必要以上に心配することはありません。ただし、家族や親戚に同じがんを発症している人が多いとか、何度も発症する人がいる場合は、検査を受けてみるのもいいかもしれません。遺伝的なリスクがわかった上で、定期的に検診を受けたり、生活習慣を改善したりといった対策を行うことが大切ではないでしょうか。

がんの進行は若い人の方が速い?
がんの進行の速さは、がんの種類とタイプによるので若い人の方が進行が速いということはありません。

例えば、肺がんは比較的進行が速く、それに対し、乳がんは進行がゆるやかだと言われています。

若い人に低分化腺がんが出来やすい傾向があり、このことが原因で俗説が広まったのではないでしょうか。

また、若い人の方が細胞が活発なため、がん細胞が増殖するスピードが速そうなイメージがあったのかもしれません。

実際には、がんは高齢になるほど罹りやすい病気です。高齢の方でも低分化腺がんにかかることはありますし、先に述べたとおり、部位によって進行が速いがんがありますので、年齢ががんの進行の速さに影響を与えるものではありません。

がんと診断されたら、必要以上に不安がったり軽視したりせず、医師とよく相談して適切な治療を受けることが大切です。

がんとは?


病名としてはよく聞く「がん」。でもその病気についてはなんとなく怖い病気、というぐらいでしかイメージもない方も多いでしょう。

そもそも「がん」とはどういった病気なのかというのをご説明したいと思います。

まず「がん」の病気の内容に入る前に一つお伝えしたいことがあります。

がんという病気の話をする際に、漢字で癌と書いてあることもありますが、漢字で書かれた癌は、医学的にはひらがなで書いた「がん」よりも狭い意味を指します。

具体的には、漢字で書く癌というのは上皮細胞(臓器の表面の細胞のこと)が由来の悪性腫瘍のことだけを指しています。

ちなみにそれ以外の細胞、例えば骨や肉の細胞にできる腫瘍のことは肉腫と言います。

がんとは異常増殖した細胞のこと
がんについて、簡単に言えば悪性腫瘍とほとんど同じものです。

悪性腫瘍とは、読んだまま悪性の腫瘍のことで、腫瘍とは、細胞が異常に増殖してできたかたまりのことを言います。

人体を構成する細胞は、通常、分裂することで増えて成長したり、古い細胞から新しい細胞に生まれ変わったりするのですが、これが異常に増殖してしまうことがあります。

このように異常に増殖した細胞が塊になったのが腫瘍と呼ばれるもので、その腫瘍か浸潤したり転移するようになると悪性腫瘍、つまりがんと呼ばれるようになります。

浸潤とは、異常な細胞の増殖が周りの組織にも次々広がっていくことを言い、転移とは人体の全く別の場所でも同じような異常な増殖が起こることを指します。

腫瘍のことを新生物と言うこともあります。そのため、がんのことを「悪性新生物」ということもあります。

がんというのが一体なぜ人体に悪影響を及ぼすのかというと、異常に増殖した細胞というのは本来その細胞がすべき機能を行うことができなくなってしまうのです。

そのような細胞が広がると、本来健康を維持するために活動するはずの細胞がその機能を果たせなくなり、人体の健康を害していってしまうのです。

では、一体なぜこんな異常な細胞が生まれてしまうのでしょうか。それは、細胞内の遺伝子にキズがついてしまうためだと推測されています。

細胞には遺伝子情報がありますが、その遺伝子情報になんらかの原因でダメージが加わることで正常な細胞分裂ができなくなり、異常増殖してしまうと言われています。

そのなんらかの原因というのは様々で、タバコであったり紫外線だったりと言われていますが、本当にごく普通に生活しているだけで自然とキズはついてしまうものだと言われています。

ただ、遺伝子にキズがついてもがんにならないことも多くあるのです。

 

ですが、遺伝子のキズが増えると、当然がんになる確率は高まってしまいます。

がんについてはその原因も含め、その成り立ちや仕組みが完全には解明されていないため、確実に予防をすることはまだできていないのが現状です。

ガン発症の確率を低くする


いくら医学が進歩しているとは言え、ガンの発症は極力避けたいものです。

テレビや新聞などでも「これを行えばガンは防げる」といった情報を数多く発信していますが、それらには本当に効果を期待してよいものと、効果がないものとが入り混じっている状況となっています。

それでも、ガンに関する科学的な研究によって、ガンの発生確率を高める要因がそれなりに分かってきてはいるのです。

上記の例を挙げると、タバコを吸うことは肺ガンの発症確率を高める要因となっているため、肺ガンの発症を避けたければ、禁煙をすればよいことが理解できます。

日々の生活スタイルを変えてガンの発症確率を低くする
太り過ぎていたり、タバコやアルコールを摂取すること、運動をする機会がないことは、健康に悪影響を及ぼすことは明らかであり、ガンを発症する要因となっています。

中には『身長が高い』といった避けることが不可能な要因も存在しますが、身長が高いとガンになる危険性が高まることを理解することで、積極的に健康診断を受けるなどの対応も可能です。

逆にスポーツを定期的に行うことや、母乳を与えることはガンの発症確率を低くすることが判明していています。
例えばスポーツを定期的に行うことは結腸がんを防ぐ効果があるようです。

母乳に関しては子どもがいることが条件となってきますので、子どもがいない人の場合は乳がんの検査を極力受けるようにすることをおすすめいたします。

ここまでお話ししてきたことは、間違いなくガンの発症確率を高めるものです。

その他にも『ガンの発症確率をほぼ高めると言えるもの』といった根拠は見つかっていないものの、癌との関連性は極めて高いと思われるものは多数存在します。

例を挙げると、熱い食べ物などをいつも摂り続けていると、喉頭ガン、食道ガンの発症確率を高めるとみられています。

しかし、これはタバコと肺ガンのように数多くの研究が行われた上で因果関係が導き出したものではないので、注意が必要です。

食材でガンの発症確率を低くする
つづいて、食材がガンにどのように影響するのかを見ていきます。

ガンの発症確率を低くする食材に関しては数多くの情報が存在するため、実際にどれが真実なのかが理解できていない人も多くいらっしゃることでしょう。

この食材が間違いなくガンの発症確率を低くするというものは現段階では不明であり、『おそらく発症確率を低くするのでは?』といった程度にとどまっているわけですが、それらの中には野菜が多く存在しています。

ただ、専門家でもない限り、すぐに摂取する食材に関して気を遣うことは非常に難しいですので、まずは野菜を積極的に摂ることを意識するのがよいでしょう。

上記のことはタバコやお酒、運動とは異なり、今日からでもすぐに行えるものかと思います。